『処刑剣 14 BLADES』を見た。
ちょっと話が見えにくいところがあったのだが、話の内容や人物設定はそれほど悪くない。泣ける場面もあった。
しかし『プロジェクトA』や『ポリスストーリー』等のジャッキー作品他、1980年代、90年代の香港カンフー・アクション映画に親しんだ自分から見て、カメラワークが余りに酷く、せっかくのドニーのアクションが生きていないように感じた。そこで筆を執ることにした。
どう酷いかというと、見せ場と思われるアクション・シーンでカメラが闘う2人を追うと、視線が定まらないのだ。画面がブレていて見辛く、アクション自体は素晴らしいのに爽快感がない。
ワイヤー・アクションとCGを多用しており、絵としては面白いのだが、それが前述の「ブレ」と相まって余計にアクションを殺してしまっている。
変わって、かつての香港アクション映画のカメラワークの特徴は、以下の点にあるように思う。
- 基本、画面が移動しない
- 移動する時は水平、垂直等、直線的に少し移動するだけ。動き回る俳優をやたら追いかけて視点がブレるようなことはない
- 或いは動く俳優を無理に追わないで画面を切り替える
- 移動しない時は俳優に寄ったり離れたり
- 見せ場と思われるアクションでは、主役俳優の顔が見える位置にカメラを据える(これはアクションの演出にも依る)
とにかくアクションが綺麗に、格好よく見えるよう、本当によく考えてカメラを回している。
実は『処刑剣 14 BLADES』の前に『レイン・オブ・アサシン/劍雨』も見ており、こちらは『処刑剣』ほどではないが、同じような欠点が多少見て取れた。
『イップ・マン』のアクション場面は安心して見ていられたので、最近の中華系カンフー・アクション作品のカメラワークの全部が全部問題あり、というわけではないだろう。
個々の作品の善し悪しを言いたいわけではなくて、香港映画の一つの伝統が失われてきているような気がして、不安になったのだ。そんなことは杞憂で、よく撮れてるカンフー・アクション映画があるのなら、どなたか教えていただけないだろうか。